やはり中国の政策は先を見通し公布され、ほぼ全ての計画が前倒しで実行完了するあたりはさすがと認めざるを得ませんね・・・・。
中国政府はインフラの新旧を明確に分けています。旧インフラ投資は鉄インフラ投資と呼び、鉄道や空港、道路など世界各国にある従来からのインフラ投資としており、『新インフラ』投資とは情報デジタル化のための投資であるとしています。
2018年12月の中央経済工作会議という場で、2019年からは『新インフラ建設』を推進していくという決定がなされました。その3ヶ月後に開かれた全人代(全国人民代表大会)では『次世代通信インフラ建設の強化』として5GやAI、IoTなどを正式な政府活動報告内容に盛り込み、計画を策定するとしました。
2019年に入ると宣言通り5Gの商用化が始まり、その他IT方面も急加速で発展を始めます。色々な都市でITイノベーション特区や経済特区が作られ様々な国内外のIT企業が誘致されました。
そして今年2020年4月には、国家発展改革委員会より『新インフラ建設 7つの細部領域』としてその詳細な内容が発表されました。これを見ればこの先3〜5年でどのように発展していくのか、具体的に知ることが出来ます。
『新インフラ建設 7つの細分化領域』
新しい発展構想があり、技術革新がそれを加速し、情報ネットワークをベースとした質の高いイノベーションを推進するために、様々な要素をデジタルへ変換しスマート化し、相互に融合していくために7つの領域を強力に推進しサポートしていくとしています。その7つの領域とは・・・
- 5Gインフラ 通信施設 光通信設備 衛星通信など
- 特高圧 特別高圧送電線 直流800kV 交流1000kV
- 都市間交通 高速鉄道 航空 物流
- 充電スタンド 電気自動車の充電 全国約480万箇所
- ビッグデータセンター ブロックチェーン
- 人工知能 AIホーム AIロボット 自動運転 AI金融など
- インダストリアルインターネット IoT 企業間通信など
国策として推進していく!となった後には、各地方政府が矢継ぎ早に計画を発表しました。3月時点で24省が投資計画を発表、その総額約49兆元(約784兆円)!僕が住んでる上海市でも、『上海市オンラインニューエコノミー発展行動法案2020〜2022年』として具体案が発表されました。その内容はまた次の機会に改めてお伝えします。
アメリカのテスラ自動車や中国でシェア自転車で有名なMoBikeなどが世間一般的には赤字企業とされています。従来通りの財務諸表では「データ」に対しての資産評価や利用価値などを数値化できないためであり、これからはこの「データ」を持つ企業や国のポテンシャルはどんどん上がっていきます。
世界一の人口を誇る=世界一大量のデータを取れると解釈しても良いと思いますが、今後この国が、この世界がどうなっていくのかますます楽しみです。