注目キーワード
  1. 新型コロナウィルスCOVID-19

武漢ロックダウン中に上海は再稼働

2020年1月23日の武漢封鎖後、中国全土の各業界は新型コロナウィルス蔓延による営業での活動停止期間を経験しました。そんな中でも2月10日、上海の企業は続々と再稼働しました。

統計データによれば、3月8日時点で上海市の一般企業復工率は約65%。外資企業の復工率は約99.9%、対外貿易企業では約99%でした。外資は特に操業再開が早い感じでしたね。スーパーマーケット復工率は98.8%、ショッピングセンターは98.9%で買い物はほぼ通常通り出来るようになっていました。電子ビジネス業界は一番早い復工だったので100%、物流業界では95.2%、飲食サービスは62.6%といった状態でした。(下記画像は3月末日の復工状況)

春節休暇から休みが延長された期間、ひっそりとしていたビジネスオフィスビルは既に満員電車の様な状態で、多くの人がまさに全身武装状態でした。ビジネスビルの入り口にはビル管理会社による検査員がいて、毎回体温測定を実施、更にビルの通行証を提示するか感染リスクを携帯上で表示できるQRコード「随申碼」を提示しなければならず、とにかく全てがクラスターを防ぐために施された何重ものチェック体勢でした。

中には武装にここまで気合いの入った人も(笑)

また、極力人と人の接触を減らすため宅急便や出前の配送員はビルに入れず、ビルの入り口には荷物受け取り用ラックが設置され、配達物はこのラックに置かれます。
僕らも再開当初は社員を当番制で出勤させ、その他社員はテレワークするようにし、連絡は微信(WeChat)かアリババかテンセントのオンライン会議システムを使いました。

配達された物が置かれる棚。ビルの人が見てるので盗難の心配はなし。

2月20日、殆どの企業が全面再開しましたが、上海市政府の『一網通弁』というサイトでの営業再開届出を行って許可された企業のみが再稼働可能となります。また、毎日社員の健康状態を申告する必要があり、万が一熱が出た社員がいれば通知することが義務となっています。

上海市からは『上海市の感染流行状況全力予防管理における企業平穏健康発展を支援貢献することに関する若干の政策措置』が発表されており、計28ヶ条に及ぶ政策措置が発表されました。大まかな内容としては、感染流行予防重点企業に対する財税支援の拡大強化、オフィス家賃の減免、関係企業及び個人に対し課税優遇の適用、個人事業主課税負担の免除などです。

QRコード「随申碼」

この後に公布された『上海企業職場復帰操業営業再開指南』では、企業の操業再開・工場の生産再開を迅速に推進することが明確にされました。現時点で再開できない業界は主として旅行関係、劇場、書店、授業など教育やセミナーなどの研修イベント等です。中国では3密に行かない ではなく、そもそも再稼働していません。日本で実施するにはなかなか難しいとは思うのですが、テスト&トライで歩みを止めないことが一番だと思うのです。

リムジンには手製の隔離シートが。

これだけ感染力が強いウィルスを封じ込めるには、皆が一丸となって食い止める気概がないとダメだということを、現地での体験を持って感じました。また、直接対応に当たられる医療関係の方々や衛生委員会など関連の方々には本当に頭が下がります。

交通機関は全てマスク着用と検温が必須

日本はもともと清潔な国だし、国民性も真面目。僕もやっぱり日本人なので今の日本の状態は心配になります。布マスク配ってる場合じゃないと思うよ・・・・。でも、必ずこのウィルスに打ち勝ち、また平和な日がそう遠くない日にやって来ると信じてます!

マンションの下でも検温、ソーシャルディスタンシングを徹底。

中国のビジネス情報をもっと知りたいですか?

華鐘コンサルタントHPからご入会頂けると様々なサービスが受けられます!